【報告】世田谷の子育て環境に目からウロコ……市民活動の尊さ。横展開で日本の子育てHappyになりますように。


去る2018年4月18日(水)まざるテラス主催「世田谷の子育て環境ツアー」、無事敢行してまいりました! 午前中の雨にも関わらず、参加してくださった皆さん/受け入れてくださった皆さんに、心からお礼申し上げます。


何か幸せな気持ちがわいてくる午後でした。皆さんもこの記事をお読みいただくことで、世田谷の子育て環境、体感していただければと思います。

マザーによるマザーのための「井戸端マザーハウス」

桜上水駅から歩くこと10分……最初に伺ったのは、子育て中の母親がゼロから作り、4月にオープンされたばかりの「井戸端マザーハウス」。
シャッター部分が本来の玄関とのこと。自転車やベビーカーはもちろん駐車場も2台分!
みんなでごはんを食べる「トルコ料理の会」なども♪
「井戸端マザーハウス」facebookページより
井戸端マザーハウスはママのためのもうひとつの小さなお家です。
お子さんを預けてみたり自分の好きなテーマをみつけて参加したりまた自分で作ってみたりしてみませんか?
「子育て中の親(母親)が息抜きできる場所を作りたい」——熱い想いを胸に不動産を訪ね始めたという代表のかずえさん、しかし「複数の子供の出入りNG」「賃料が見合わない」等、条件に適した物件は見つからず(私も実体験として分かります)……そんな中に舞い込んだ「2は貸せないが1Fだけならどうぞ」という優しいオーナーさんの声。

「ここでやろう!」運営方針も定まっていない昨年夏に借り始め、「木のあたたかみで親子の居心地を良くしたい」床板を自分たちで新しい木に張り替え、木の壁を作り、縁側を広くし、庭の砂場をこしらえ、少しずつ少しずつ、半年以上かけて準備されてきたそうです。
広くあたたかみのある縁側。ここでお茶を飲むだけで、間違いなく癒される……
午前の雨で使えませんでしたが、砂場! 庭! 泥! それだけで子供は楽しい。
第一子を出産後、職場復帰した時に、できるだけ子供のそばにいられるよう働き方を変えたんです(時短勤務)。すると、なんと第二子で「労働時間の点数が低い」と保育園に入れず待機児童になったんです。「子供と過ごすのもいいか」と仕事をやめて専業育児の専業主婦になりました。そうなってやっと気づいたのが「専業で育児されてる方は尊いぞ」ということ。もしかしたら(現在の日本では)仕事しているよりも専業育児のほうが大変かもしれない。なのに、全然、補助金や助成金で支援されていない。保育園は子供1人あたり税金が40万円ぐらい出ているのに、こんなのおかしい。それなら、私が専業育児されている方たちの一休みできる場所を作ろうと思ったんです。

現在、火曜と金曜は「託児の日」、月曜と木曜は「ワークショップの日」(講師/ワークショップ開催してみたい方も募集中だそうです)、水曜は「何でも話せる井戸端会議の日」として場を開かれていますが、「どういう運営をしていくか、来てくださる皆さんと話していけたらいいなぁ」とのこと。

興味が湧いた方、何か心にピンときた方は、ぜひ一度訪ねてください。代表かずえさんの開放的な明るいパワー、浴びるだけでも絶対元気になれますから!(太鼓判)

→「井戸端マザーハウス」Webサイト

親子の場であり場をつくる親子を育てる「おでかけひろば@あみーご」

次に慌ててタクシーで向かったのが、世田谷区で羨ましく思う取り組み「おでかけひろば」のひとつ、世田谷区の補助により地域の子育て支援グループが運営するおでかけひろば@あみーご」。

こちらも住宅地の一軒家が開放されており、世田谷区民によるまちづくりを支援する団体「一般社団法人世田谷トラストまちづくり」の取り組みがその一助となっています。
地域の空き家オーナーさんと地域の活動団体とのマッチングする「空き家等地域貢献活用窓口」

★オーナーさん所有物件でありながら一部または全部を地域に開放することを支援する「地域共生のいえづくり支援」
※参照: http://www.setagayatm.or.jp/trust/support/
「@あみーご」もこの「地域共生のいえ」にあたります。心あるオーナーさんが地域の子育て支援団体amigoに、一軒家と庭を開放してくださっているのです。
オーナーさんの好きな「ウサギ」のマークが玄関入口に。
庭。泥。遊具。子供たちにとっては、ただただ楽しい。ただただ楽しい。

子育て支援グループamigo現代表の石山恭子さんに時間をいただき、「@あみーご」の成り立ちと背景、現在の運営や活動方針などを、じっくり伺いました。


元々おでかけひろばに遊びにきていた親子の利用者が、研修や勉強会を経て、親子の遊びや相談対応ができるおでかけひろばの常駐スタッフになり、さらに知識をつけて、ひろばで待つだけでなく外へ出ていって地域の親子をつないでいく「地域子育て支援コーディネーター」になり……夢のような循環です。

月曜から金曜まで10時〜15時オープン。区からの助成等で常駐スタッフの皆さんにもちゃんと給与を出す制で運営できているとのことでした(ボランティアや個人の持ち出し運営ではない)。
壁には飲み物コーナーやスタッフの紹介、反対側の壁には玩具が一杯、奥の部屋にはグランドピアノ!

amigoではつい先月(2018年4月)に、2拠点目となる「おでかけひろば ULALA(ウララ)」を馬事公苑そばにオープンされました。
水色の外観にロゴも美しく映える。「ULALA!(あらまぁ)」@フランス語
「子育て支援グループamigo」facebookページより
「楽しそう」の一言、ULALAオープニングパーティー!
「子育て支援グループamigo」facebookページより

ULALAでは、なんと「子連れコワーキングスペース(子供と一緒に働く場所)」の実現も検討されているそうです!

子供と離れたいわけじゃない、時々ひと休みしたい、子供との向き合い方が分からない、子供との時間を大切にしながら自分も大切にしたい——親たちが抱く葛藤に向き合って、その解決策を少しずつ(しかも世田谷各地に点在という形で)提示してくださっている、世田谷の「おでかけひろば」

ただ与えてもらうだけの支援ではなく、地域のみんなで作っている居場所。だからこそ「今度は私がやろう」と勉強して支援者になる……ただ「場があります」だけではない、根底にある想いの熱さを感じました。

子供が遊びをつくる遊び場「羽根木プレーパーク」

「帰り道がてら寄っていきましょう」最後に訪れたのは、これまた世田谷で羨ましく思う取り組み……日本の「プレーパーク」の産みの親、「羽根木プレーパーク」。

プレーパーク(冒険遊び場)といえば、「自分の責任で自由に遊ぶ」

日本の公園は「火はダメ」「ボールはダメ」禁止事項がどんどん増えるばかりで、親も「ダメ!」が多くなりがちです。しかし、プレーパークでは逆です。「火もオッケー」「木登りもオッケー」「泥だらけもノコギリ等の工具使用も、何でもオッケー!」、むしろ「ダメ!と言ったらダメ!」——禁止事項を設けないことで子供たちの好奇心と自主性を大事に育んでくれる場所です。
「禁止事項ない」とはいえ、遊びをサポートしてくれるプレーリーダーの存在は欠かせません。
無邪気に遊ぶ乳幼児と小学生、その横には高校生ぐらいのお兄さんたちも。

昔ここで遊んでいた小学生が、中高生になってプレーリーダーになって……
何をしたって構わない、ただし「自分の責任で自由に遊ぶ」

始まりは1975年頃、一区民であった世田谷在住の大村夫妻が子供たちのために、ヨーロッパの冒険遊び場を地域の空き地で再現したのがプレーパークの原型と言われているそうです。その活動に賛同した区職員と共に、「遊ぶ場と資金は行政が、運営は住民が責任を持って担う」という協働運営の下、羽根木公園にプレーパークを作ることになったのが1979年。そこからプレーパークとその概念は一気に日本全国に広がっていったわけです……
羽根木プレーパーク横の売店「はねっこ」にてお話を伺えました(ありがとうございます!)

プレーパークの環境管理と遊びづくりを毎日サポートする「プレーリーダー」には、当然それだけで生活できるよう給与が出ているとのことでした。しかし多くは出せないのが悩み、一定年齢になると体力的にも継続が難しく再就職問題が……といった悩みも伺いました。

保育士も給料が低い話は定番です。未来を作る子供たちの現場をつくる方々に、もっと社会の再分配がうまく行き届かないものでしょうか。いつも、むずがゆく感じてしまいます。

それでも、尽力してくださる方々がいるから何とか、こういった親子の育ちの場が担保できている……

こういった「おもしろい」環境が育って続いている要因は何なのか?

「おでかけひろば……プレーパーク……世田谷には、どうしてこういう環境が育ってきて続いているんだと思いますか?
「世田谷にちょうど偶然、アイディアとやる気のある人が集まっているのかもしれませんね……?」
それもあるかもしれません、でもそれ以上に大事なのは、無我夢中な手を握りしめてくれる人たちがいてくれるからなんだろうなぁ……そんなこともシミジミ感じました。アイディアが捨て置かれず、賛同と支援で広がって、その魂も形骸化せずきちんと後継者に引き継がれていく……

おでかけひろばにもプレーパークにもその根底に「似た在り方」を感じていましたが、皆さんはどう感じましたか?
「私たちは特定の政党宗教には寄っていません。あくまでも<地域住民の層>として分厚くありたいんです。区民を支えるための区民の活動と自負しています」

良いもの横展開で日本の子育てがHappyになるよう、できることは?

「すごくワクワクする一日でした」
「世田谷の子育て環境の充実ぶりには目からウロコでした」
「勉強になりました」
参加してくださった方からその日すぐの感想をいただき、何か胸が一杯になりました。海外を真似するばかりでなく、日本のすぐそこに、素敵な環境があるんです。親子の育ちに良いものは、どんどん横展開されますように。自前にこだわらず、取り入れる自治体が増えて、日本の子育てがHappyになっていきますように。


そのために、私たちにできることは何でしょうか……
・知ること
・周囲に話すこと
・できるアイディアがあればやってみること
・声を聞いてくれる/支援してくれる地域や自治体と手をつなぐこと
アイディアがあればやってみる……といっても、各種支援活動を単独で行うのは持ち出しも多く苦しいはずです。地域や自治体の支援が欠かせません。が…… そもそも自治体が手をつないでくれなかったら? 耳を傾けてくれなかったら? 「手をつないでください!」と自治体に声を届ける——以上に、中野区民にとって最も大事な機会が「来月6月10日の区長選挙」かもしれません。

実は今回のツアーに、区長選立候補者に関係するお二人
・日本の少子化に危機感を抱き子育て支援政策に大きな知見を持つ元都議の吉田康一郎さん
・区民の声と活動をつなぐ区政に変えたいと熱い現場感覚を持つ元区職員の酒井直人さんを応援されている現区議の小宮山たかしさん(中野区で子育て現場の支援といえば小宮山さん)
——も参加くださっていました。「一区民が何かやっているけど勝手にどうぞ」ではなく「何か応援できるか/想いを取り入れられるか」現場をつなぎに来てくださる方々には感謝しかありません。

「上のほうで勝手に決めている」よりも「地域住民の悩みやアイディアに耳を傾けてくれる、解決に向けた活動を並走してくれる」そんな行政であってほしいですよね。
(そういえば、「子育て世代の悩み」を公開質問状にまとめて各候補者に投げた結果が近々「子育て環境向上委員会@中野」Webサイトで公開されるそうですよ!)

「自分の責任で(だからこそ)自由に遊ぶ(遊べる)」きっと大人だって、そうです。

話がずれました。

それにしてもやはり、感じたこと聞いたことを書き切るのは難しく、ぜひ一度は世田谷の子育て環境、体感してみることをオススメします。

都会の子育て世代も感動を覚えること間違いナシ、そして、地域の子育て環境に関わる方は必見です! 今回は、足立区「環境NGOエコ・クリエーターズ・クラブ」代表の鈴木一之さんや、文京区「ぶんきょう子育てネット」代表の高浜直樹さんも参加してくださっていました。(自治体の視察ツアーとかもっと組まれればいいのにな……)

さて、次の視察ツアーはどこかな!

Share:

0 comments